初めて耳にした ニンイケイゾクという言葉
| 「9月まで働いていて、今年の収入が130万円を超えていたら、扶養家族にはなれないって」。
130万? なにその金額? ダンナからの電話に、手のひらに汗をかきながら、受話器をぐっと握り締めた。でも、年金課の人が、「ダンナさんの会社の扶養になればいい」って言ったよぉー。区役所の人が言ってたことだよぉー。半べそをかきそうになりながら、私は、ダンナに訴えた。
「オレもさ、陽子が、今、全然働いていないの知っているから、二回も総務と話したんだけど、うちはその年の1年間単位で考えるらしくてさ。今年は無理なんだって。うちの健保組合の決まりらしいよ」
引き下がるよりしょうがなかった。そして、その次の瞬間、私がしたことは、チャリをすっ飛ばして、区役所の年金課の窓口にいた。 「私、ダンナの健康保険に入れないんです! 今、1円も稼いでないんです!! いったい、どうしたらいいんでしょう?」
区役所の年金課の人は、困ったように、目をしばたいて、言った。 「国民健康保険に加入していただいて、ご自分で支払うしかないですね」
「稼いでないのに、全額払うっていうんですか??」 「でも、ダンナさんのほうに加入できなかったんでしょ」
「でもでも、現在、私はまったく稼いでないのです」 恥も外聞もなく、私は繰り返した。なぜなら、前回訪れたときに、おおよそを検討したのだが、国民健康保険は、前年度収入から計算するため、私の納める額といえば…途方もないほど、高くなる。引っ越してきて私の住んでいる市の場合、私は、最高額の部類に入ってしまうことを知っていたからだ。
「退職して、1カ月半ですか〜。任意継続もいまさら無理ですもんねぇ」 区役所のお姉さんは、半ばあきれ、半ば同情したようにつぶやいた。ニンイケイゾク? なんですか?それは!!
| 任意継続は 何かぐらいは知っておこう。
| 退職する前、総務の人と、退職証明書などの書類や手続きの説明をしてくれるという時間があった。さほど大きな会社ではなく、その月辞めるのは私だけだったため、かなり簡単なものだった。
「ご結婚されているんですよね。退職してからは、どうするのですか」 「特になにも」(笑) 「そしたら、失業保険を請求しますよね。必要な書類はこちらと一部郵送します。ところで、健康保険はどうされますか?」
「夫の扶養になるのでいいです」 「そうですか」 終わり!である。大企業やしっかりした会社だと、もっと丁寧らしいが、“任意継続”の説明まったくナシ!である。私が思うに、総務の人も、失業保険期間中は自分で健康保険に加入する可能性があることを理解してなかったか、時間がなくて説明する手間を惜しんだか…いずれにしも、えらく不親切ではないか。あとからムラムラと怒りがこみあげてくるが、まさしく、あとの祭りだった。
私の場合、前年度の所得から考えると、支払い上限がある任意継続被保険者になるのがベストだったわけだが、気がついたときは、もはや選択の余地はなかった。失業保険が終わって、夫の扶養家族になれる手続きがされるまで、月々4万円ぐらいの国民健康保険の保険料を、泣く泣く払うハメになった。しかもこの期間は風邪ひとつひかなかったのである!
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 ちょっぴり賢く!用語解説
130万円 パート勤務の103万の壁といわれたため、「103万」という数字は、聞いたことがある人が多いだろう。現在は、配偶者特別控除の一部が廃止となったので、103万円は壁とならないかもしれないが、以前は103万円を超えると、夫の所得に対して、税金が優遇される枠が小さくなるため、パート勤めは年収103万を超えないようにしている人が多かった。ただし、もう一つの壁ともいえるのは、実は、130万の壁であり、それを超えると、妻(夫)自身が社会保険に加入しなくてはならない。
任意継続被保険者 任意継続とは、文字どおり、退職後も2年間は、在職した会社の健康保険を続けることができる制度のこと。条件は、退職前に2ヶ月上健康保険に入っていて、退職してから20日以内に申請する。退職後はもちろん、保険料は、全額自分で払うわけだが(会社員だったときは、会社が一部負担してくれていた)、上限の金額が決まっているので、前年度の所得が高くて、国民健康保険で計算したときに、それ以上の額になるという人は、ぜったい、任意継続被保険者になるのがおすすめだ。
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