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なぜ学ぶ?なぜ働く?に、どう答える?

人は生涯学び続けます。しかし、まだ10年ほどしか生きていない子どもに、そのことを理解するのは難しいです。「勉強はしないといけないからする」「仕事はお金を稼ぐためにする」だけではなく、大人になっても毎日が学びで、仕事をして成長することを、子どもにどう伝えるのかご紹介します。

勉強が嫌いで宿題をしない

Q1 勉強嫌いで学校の宿題すらやりたがりません。(小学3年生の親)

A1 学ぶことは単に知識をつけるだけではなく、その過程も大切なことを伝えましょう。

自ら進んで勉強してくれたらありがたいですが、勉強が嫌いで学校の宿題すらやりたがらないと、子どもにガミガミ言いたくなりますね。親が怒ると反抗してかえってやらない可能性があるので、まずは冷静に対応してください。
子どもにとって勉強とは、「やらなきゃいけないからやる」「いい学校に行ったり、いい仕事に就くためにやる」と考えている子が多いです。もちろん知識を付けることによって、将来役立つことは多いですが、実は勉強を頑張るという行為に意味があり、頑張ったことは必ず自分のためになっています。そして「遊ぶ前に宿題をする」とか、「何時になったら宿題をする」など、計画を立ててできることが大人になっても役立つ。ということを子どもに伝えてください。そして、宿題が終わったら、いっぱい褒めてあげてください。どうしても宿題よりも先に遊ばせる場合は、終わったら(もしくは時間になったら)宿題をすることを親子で約束しておきましょう。
他には、子どもの将来の夢と結び付けて勉強の大切さを伝える方法もあります。例えばサッカー選手になりたい子には「世界で活躍するために英語の勉強が必要だね」とか、パテシエールになりたい子には「材料を測ったり細かい数字が大事だから算数を頑張らないとね」など。可能であれば、将来の夢に向かっていつごろ何をしないといけないのかを親子で具体化すると、なおやる気が出るでしょう。
子どもがワクワクした気持ちで勉強に取り組めるよう、仕向けてあげてください。

仕事を辞めてほしいと言われたら

Q2 さみしいから仕事を辞めてほしいと子どもに言われました。どう答えたらいいですか?(小学1年の母親)

A2 子どもがさみしい思いをしていることを受け止めてあげて、ママが働くことで人の役に立っていることを伝えましょう。

共働きの親は、子どもが親と一緒にいる時間が短いことでさみしい思いをしていないか心配です。夏休みなどの長期休暇中はなおさらです。そんな時にふと、「今日はお仕事休んで家に一緒にいてほしい」とか「お仕事辞めてほしい」とお願いされたら、どう答えてあげたらいいか戸惑ってしまいます。
まずは、さみしい思いをしていることを受け止めてあげましょう。そして、我慢しないで言葉にしてくれたことにありがとうと言ってあげてください。そして、ママに気持ちが伝わったことがわかり、落ち着いて話を聞けそうになったら、「ママも○○ちゃん(くん)と一緒にいたいけど、働きに行かなくちゃいけない」理由を教えてあげてください。
ママが働く理由はお金を稼ぐためですが、どんな仕事でも必ず誰かの役に立っており、そのお礼(見返り)としてお金をもらえ、生活できることを伝えます。
頭の中で理解できても、さみしい気持ちを抑えられず、「お金なんかいらないから仕事を辞めて」と言われたら、ママが働いて稼いだお金で買い物をすると、買ってもらった人がうれしくなり、またその人もどこかでお買い物をして、お金が世の中を回っていることを伝えましょう。
働くことはお金を稼ぐためだけではありません。ママが働いて嬉しそうにしている姿を見て、子どもは働く喜びを知り、嬉しくなるはずです。

お金持ちになったら働かなくてもいいの?

Q3 お金持ちになったら、勉強も仕事もしなくていいの?と聞かれました。(小学2年生の親)

A3 お金持ちになっても、人一倍努力していることを伝えましょう。

子ども達に人気の職業YouTuberが配信する楽しい動画を観て、「YouTubeで成功したらお金持ちになれる。そして、毎日楽しいことばかりしていられる」と思う子どもは多いでしょう。YouTuberが高級品を大人買いし、楽しんでいる姿を見ると、お金持ちになったら勉強も仕事もしなくていいと思ってしまうのも無理ないです。しかし、画面上の彼らは気楽そうに見えますが、その裏で寝る間も惜しむほどの努力をしています。YouTuberに限らず、社長やスポーツ選手(=お金持ち)も人並み以上の努力をしており、それを維持するために日々勉強しています。つまり、お金持ちになることはゴールではなく、スタートとも言えるでしょう。
そのことを子どもに単に伝えてもわかりにくいので、努力している理由も伝えます。例えば、社長は従業員の生活がかかっているので、会社がつぶれないように日々頑張っている。YouTuberもみんなに動画をたくさん見てもらうために、常にネタを考え、動画を編集している。このようにお金持ちになっても、決してラクして生きていけるわけではなく、見えないところでたくさん努力していることを教えてあげてください。
お金持ちになる夢を描くことは、目標ができて素敵なことです。ただお金持ちになってもならなくても、勉強や仕事はしていかなければならないことを伝えておきましょう。