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グローバルな視点を育てる「世界のお金」

インターネットの普及や日本に住む外国人が増え、日本にいても外国人や外国文化に触れる機会が増えてきました。しかし、子供に「為替」はまだ身近ではありません。「世界のお金」「為替」を通じて、子供のグローバルな視点を育てるには、どのようにしていけばいいでしょうか。

米ドルでのおこづかいの渡し方

Q1 米ドルでおこづかいをあげるには、どうしたらよいですか?

A1 紙幣でもアプリでもスタートできます。為替リスクを説明しましょう。

米ドルでおこづかいを始める際は、下記2点をポイントにしましょう。

  1. 紙幣で渡すか、アプリを使うかを決める。
    おこづかいはドル紙幣でそのまま渡しても良いです。その日のレートで、円と外貨の交換をしてあげると約束します。その場合、子どもにスマホやタブレットで為替レートを調べる方法を教えて、表示されているレート(TTM=仲値)で交換するのが良いでしょう。TTBやTTSの概念や為替手数料まで伝えられたらいいですが、中学生以上にならないと難しいですので、小学生なら公表仲値であるTTMで交換するのが分かりやすいです。
    ドル紙幣で渡すことが難しい場合は、三井住友カードのおこづかいアプリ「ハロまね」を活用するのもよいでしょう。ハロまねの銀行機能を利用して、おこづかいの日本円をアプリ内でドルにして、ハロまね内の仮想の外貨預金に預けられます。引き出す時は、ドルとしても引き出せますが、その時の為替レートでドルから円に戻して、日本紙幣で渡すこともできます。
    実際にハロまねの銀行機能を利用して、おこづかいの一部を米ドルにしていた小学生の女の子がいました。家族で海外旅行に行った際、アメリカのデパートで見た人形セットに一目ぼれしたそうです。そして、その場で親と交渉し、ドルで人形セットを買うことが出来ました。こういった経験を通じて、「米ドルを自分が持っていて、実際にお金として使える」ことと、為替レートについても実感することができたそうです。
  2. 為替リスクの説明をする。
    米ドルおこづかいを始めるなら、為替リスクについても子供に説明してみましょう。
    仮に、おこづかいを円に替える時の為替レートが1ドル120円と100円では、手元に戻る金額が違ってきます。
    為替リスクについて説明するのは難しかと思いますが、下記の親子での会話例を参考に説明してみてください。

    親:「〇〇ちゃんが、欲しいものがあってドルのおこづかいを円に両替したい時、レートがいくらの時に替えるのがいいと思う?」
    子:「レートの数字が大きい方がいいのか、小さい方がいいのかよく分からないんだけど、どう計算したらいいかな?」
    親:「計算するには、掛け算をするんだよ。為替レートとドルの額を掛け算すると日本円でいくらになるか分かるよ。ドルから円に両替する場合は、レートの数字が大きい方が手元にくるお金が多くなるよ。じゃあ、レートが1ドル100円と120円の時それぞれ10ドル両替したらいくらになるか計算してみてごらん。」
    子:「100円×10ドル=1,000円。120円×10ドル=1,200円。200円も違う!」
    親:「そうだね、為替レートが違うことによってこんなに差がでるんだね。この差が広がったり狭まったりすることを、お金の世界では為替リスクっていうんだよ。」
    子:「リスクってどういう意味?危険って意味?」
    親:「リスクは危険という意味ではなく、『思った通りにいかないこと』なんだよ。為替レートが変わることで受け取れるお金の数も変わってくるけど、そのレートがいくらになるかは誰にも分からないから、自分が思った通りにいかないリスクがある=為替リスクがあるということなんだよ」

    米ドルのおこづかいを導入してみると、親子ともに、ニュースや為替を身近に感じる機会が増えるでしょう。

子連れで海外旅行。何を教える?

Q2 子連れで海外旅行に行くときに、どんなお金のことを教えたらいいですか?

A2 外貨で買い物をしましょう。

家族で海外旅行の際には、次のステップに沿って、子供に伝えていきましょう。海外での買い物は、きっと貴重な経験になるはずです。

  1. 外国では、円ではなく、その国のお金が使われている。
    まず大前提として、外国ではその国のお金が使われていることを子供に伝えましょう。事前にインターネットなどで検索し、旅行先の通貨の画像を一緒に見るのも良いですね。
  2. 為替は日々動いていること知る。
    外国のお金と交換する割合(為替レート)は日々変わっています。旅行前に、ニュースなどで、為替相場を見ておくとリアリティがあります。
  3. 現地で買い物する際にはいくらかを計算する。
    海外で買い物をする際に、外国のプライス表記を見ても、円にしてどのぐらいの値段か分かりづらいです。日本円にしたらいくら位になるかを計算できるように、子供に計算式(為替レート×プライス表記)を教えましょう。そして、その値段で自分が本当にそれを買いたいか?日本で買うのと、海外で今買うのとどっちがお得かな?と買う前に一度考えてみましょう。
  4. 輸入しているもの・輸出しているものかの確認
    気になる製品が輸出国で作っている現地のものであれば価格は日本より安いはず、輸入国であれば値段は日本とそこまで変わらない可能性があることなど、子供が視野を広げるヒントを出してみましょう。

また、可能であれば海外旅行前に、日本国内で外国紙幣が利用できる場所へ子供と一緒に出掛けてみてはいかがでしょうか。国内でも神奈川県横須賀市や沖縄県では米ドルのまま使用できる店舗があります。また、米軍基地の一般公開イベントなどでも米ドルが使用できます。
事前に外貨を使う体験を子供がすると、「このお金はちゃんと使えるんだ」という実感が持てます。

子供にとって海外旅行は、普段日本でできない経験をするチャンスです。外貨を使用し、為替や世界に興味を持つきっかけになりますので、ぜひ現地では子供自身に外貨を使って買い物をするチャレンジをさせてあげてください。